成人病と上手につきあうための食事学
著者プロフィール
寺西 和子
1946年 大阪府八尾市生まれ
1986年 管理栄養士取得
八尾市保健センター常勤
クリニック栄養相談
コミュニティー料理教室講師
を経て
2007年11月 主人と共に
「カフェコスモス」開店
現在は、カフェコスモスの他に
料理教室講師、
クリックにて栄養相談実施中。
=著書=
「転ばぬ先の長寿食」1997
「赤ちゃんのごはん」2001
=モットー=
自分の身体に合った食事を
美味しく食べるお手伝い。
人の体は、たんぱく質や脂肪をはじめとする様々な栄養素で作られています。しかも、血液・筋肉・骨などの組織は、食べ物から得られる栄養素で作られています。また、体を動かすエネルギーも、毎日摂る食べ物から補う必要があります。
糖 質 |
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その働きは | 主に赤らだを動かすエネルギー源。体温を作ります。 | |
多く含む食品は | 米・パン・いも類・麺類・砂糖など | |
摂り過ぎると | 一部はグリコーゲンとして貯えられますが、ほとんどが脂肪組織となるため肥満の原因となります。 | |
不足すると | 痩せてきたり、発育が悪くなったり、神経活動や脂肪の代謝にも障害をきたします。 |
脂 質 |
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その働きは | 効率の良いエネルギー源。体の組織や代謝にも大切です。 | |
多く含む食品は | バター・ラード・マーガリン・植物油・マヨネーズ・ごま・肉や魚の脂肪など | |
摂り過ぎると | 肥満・高脂血症・心臓病・糖尿病などを誘発します。 | |
不足すると | 脂溶性ビタミン(V.A・V.D・V.Eなど)や必須脂肪酸(リノール酸・リノレン酸など)の不足につながります。 |
たんぱく質 |
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その働きは | 血や筋肉・臓器など体の構成成分です。消化液やホルモン、免疫体などにもなっています。 | |
多く含む食品は | 肉・魚・卵・大豆・牛乳など | |
摂り過ぎると | 腎臓に負担をかけたり、肥満の一因にもなります。 | |
不足すると | 成長に障害がおきたり、貧血や抵抗力が低下して健康が維持できなくなります。 |
無機質(ミネラル) |
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その働きは | 歯や骨・筋肉や皮膚・血液などの成分になったり、神経やその他の生理機能を調整します。 | |
その種類は | 鉄・カルシウム・銅・マグネシウム・カリウム・ナトリウム・リン・亜鉛・ヨウ素・イオウなど | |
多く含む食品は | 牛乳・乳製品・骨ごと食べられる小魚・海藻・魚・肉・卵・緑黄色野菜など。 | |
摂り過ぎると | 過剰摂取で問題となるのは、食塩に含まれるナトリウムで、高血圧の原因のひとつです。 | |
不足すると | 貧血・骨粗鬆症・味覚障害・皮膚障害・食欲不振・神経障害など。 |
ビタミン |
微量で体の生理機能の調整を行っています。体内で作ることができないので、毎日食物から摂取することが大切です |
主な働き | 主な欠乏症 | 多く含む食品 | |
ビタミンA※ | ●抗癌作用 ●皮膚や粘膜を保護し、最近感染を防ぐ ●成長促進作用 |
●抵抗力の低下 ●皮膚の乾燥 ●夜盲症 ●成長の遅れ |
うなぎ・レバー・緑黄色野菜・卵黄・マーガリン・バター |
ビタミンB1 | ●糖質の代謝を円滑に進める。 ●神経系の働きを正常に進る。 |
●脚気・むくみ ●食欲減退 ●疲労倦怠感 ●消化不良 |
強化米・ぬか・豚肉、及びその加工品・ごま・落花生・大豆 |
ビタミンB2 | ●成長促進作用 ●脂肪の代謝を円滑に進める |
●成長の遅れ ●口角炎・舌炎 ●皮膚・粘膜の炎症 |
レバー・強化米・納豆・牛乳・卵・ごま・種実 |
ビタミンC | ●血管・歯・骨の結合組織を強くする | ●歯肉の出血 ●細菌感染に対する抵抗力の低下 ●骨の発育不全 ●貧血 |
果物・野菜・緑茶・いも類 |
ビタミンD※ | ●カルシウムの吸収を促進する | ●くる病 ●骨粗鬆症 ●成長の遅れ |
魚油・干し椎茸 |
ビタミンE※ | ●老化防止 ●流産防止 |
●過酸化脂質の生成 ●生殖機能低下 |
植物油・大豆・緑黄色野菜・種実 |
ビタミンK※ | ●止血作用 | ●新生児メレナ | 納豆・緑黄色野菜 |
※印は脂溶性のビタミンです。油と一緒に摂ると吸収がよくなります。